「羅小黒戦記」に続く中国コンテンツを売り込め チームジョイ、ブシロードから資金調達

中国アニメを日本でローカライズ展開する「チームジョイ」がシリーズAでの資金調達を発表した。出資者は日本のトレーディングカードゲーム大手ブシロード。チームジョイは日本市場で中国のアニメ、ゲーム、漫画、ライトノベルといった二次元コンテンツ事業をあらゆる方面でさらに拡大し、両社はアジア市場での新コンテンツの開発と協力を強化する。
チームジョイは中国の映画配給会社「卓然影業(Joy Pictures)」のグループ会社で、日本で事業を運営している。今回の出資者ブシロードは日本の代表的なトレーディングカードゲーム会社のひとつで、業界では「日本のACG(アニメ、コミック、ゲーム)業界で最も嗅覚が優れ、最もエッジの立った、最も気概のある企業」と称賛されている。
2021年、両社が手を組んで制作・配給した中国アニメ映画『白蛇:縁起』の日本語吹替版では、ジャニーズ所属のアイドルグループSnow Manの佐久間大介と、ブシロード傘下事務所の声優、三森すずこが共演。日本で『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』から続く中国アニメブームが再び盛り上がりを見せた。
チームジョイの主要事業のひとつは中国のアニメコンテンツを日本市場に紹介することだ。2020年、日本配給元としてソニー傘下のアニプレックスと共同で『羅小黒戦記』の日本語吹替版を配給、中国アニメ映画の海外興行収入で最高を記録した。その後、『白蛇:縁起』『ナタ転生』や短編アニメ『ミニ豆ちゃん』などを次々に配給した。
制作では、映画『唐人街探偵 東京MISSION』の日本部分の制作・プロデュースを担当、日本での撮影に協力した。これに続き、大手動画配信サービス「愛奇芸(iQIYI)」のヒットドラマ『バッド・キッズ 隠秘之罪』の原作小説『壊小孩』をもとにした日本語版映画の制作を進めている。このほか、東映のアニメ映画『ブルーサーマル』でも企画に参加、出資している。
今回出資したブシロードは、日本でトップクラスの売上高を誇るスマホゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』を提供するほか、プロレス団体「新日本プロレス」も傘下に抱える。
ブシロードの2021年7~12月期の売上高は195億7400万円、経常利益は25億8100万円だった。コロナ禍で影響を受けたものの、ビジネスモデルを見直し、英語版トレーディングカードゲームをリリースしたことで海外での売上高が急激に伸びた。主要事業のほかにも、音楽、モバイルゲーム、関連グッズ販売を手掛け、芸能プロダクションを運営しており、22年6月期通期の売上高は387億円を見込んでいる。
バンドリ!ガールズバンドパーティ!(画像提供:ブシロード)
中国アニメコンテンツのローカライズを担うパイオニアとして、チームジョイは中国アニメの日本展開をさらに進める。さらにブシロードと協力関係を強化し、アジアの二次元コンテンツ産業の融合と世界市場開拓も加速させる。
(翻訳・36Kr編集部)原文はこちら

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