2022.03.11
ハッカソンとは?意味や種類、開催するメリットをわかりやすく解説します

オープンイノベーションのツールとして、とりわけIT業界で注目されているイベントがハッカソンです。
経営に携わる方ならば聞き覚えのある言葉かもしれませんが、詳しい意味をご存じないという方のほうが多いかもしれません。
この記事では、ハッカソンとはどういったものなのかを細かく解説し、運営・参加両面でのメリットをご紹介します。
企業がハッカソンを行う際の手順にも触れているので、ぜひご注目ください。
目次
-
- ハッカソンとは?・ハッカソンの種類
・アイデアソンとの違い
・ハッカソンはIT業界意外にも広がりを見せている
- 企業がハッカソンを運営するメリット ・オープンイノベーションにつながる
・社内の人材育成ができる
・組織力を向上できる
・企業名の知名度を向上できる
・情報収集や技術向上に期待できる - ハッカソンに参加するメリット・最新技術に触れることができる
・すべての開発工程を経験できる
・業務の幅ができる - 企業がハッカソンを行う手順
- まとめ
- ハッカソンとは?・ハッカソンの種類
ハッカソンとは?
ハッカソンとは、技術の駆使によってシステムを操るという意味の「Hack(ハック)」と、「Marathon(マラソン)」を掛け合わせた造語です。
プログラミングなどを手掛けるエンジニアやデザイナーといった異なる職種の者同士が集まり、与えられたテーマにのっとったシステム開発を行って競い合うというのがハッカソンの原型でした。
発祥はシリコンバレーとされており、GoogleやAppleといったIT企業が取り入れたことで広く知られるようになりました。
ハッカソンの種類
ハッカソンは大きく3つの種類に分類できます。
まずはそれぞれの種類の特徴を解説しましょう。
・一般的なハッカソン
企業や団体が外部に向けて実施するハッカソンが、もっともポピュラーな種類といえます。
ベンチャーから大手まで幅広い企業が取り入れており、開催されるテーマもさまざまです。
企業によっては学生に募集をかけることもあり、参加者が集まりやすいというメリットがあります。
・社内ハッカソン
社内エンジニアなどを対象にしたハッカソンで、勉強会や研修の一環として用いられています。
部署が異なる社員同士の交流を図れるため、組織力向上といったメリットを得られる点が特徴です。
・産学連携ハッカソン
新しい技術の開発や新事業の展開を目的に、大学などの教育機関と民間企業が手を取り合って開催するハッカソンです。
2013年に東京工科大学が参加したことを皮切りに、大阪大学・金沢大学・名古屋大学・立教大学といった大学が続々と参加しています。
アイデアソンとの違い
アイデアソンは、「Idea(アイデア)」と「Marathon(マラソン)」を掛け合わせた造語で、しばしばハッカソンと比較・混同される言葉です。
アイデアソンはハッカソンと同じくチームを組んで行うイベントですが、商品企画やビジネスモデルなどのプランニングを行い、プレゼンテーションによって成果を競うものであり、ハッカソンとは内容が異なります。
また、ハッカソンの制限時間は数日間に定められることが多い一方で、アイデアソンは1日で完結することが原則という点も違いのひとつです。
ハッカソンはIT業界以外にも広がりを見せている
ハッカソンはIT業界で行われるイベントでしたが、現在はその他の業種や地方自治体、学校でも行われるイベントとして多様化が進んでいます。
ひとつの集団や団体が抱えている課題を解消するために、外部の人材の力を借りようと考える人が増えたことが、ハッカソンが多様化した要因といえるでしょう。
企業がハッカソンを運営するメリット
企業がハッカソンを運営するメリットは、主に以下の5点です。
<企業がハッカソンを運営するメリット>
・オープンイノベーションにつながる
・社内の人材育成ができる
・組織力を向上できる
・企業の知名度を向上できる
・情報収集や技術向上に期待できる
それぞれのメリットを細かくチェックしていきましょう。
オープンイノベーションにつながる
ハッカソンには異なる立場や業種の人材が参加し、ひとつのテーマで最適解を見つけるために多くのアイデアを出します。
さまざまなアイデアに触れるなかで、普段は気付かなかったような視点や観点から物事を考えられるようになるため、オープンイノベーションにつなげやすいことがメリットです。
社内の人材育成ができる
ハッカソンの最終日には、チームで導き出した結論を発表する必要があるため、スタッフはチーム間でコミュニケーションをとりながらプレゼンテーションの準備を進めていきます。
これにより、普段は消極的な人物に対しても自主性を促し、技術の向上やリーダーシップの養成といった形での人材育成にも期待できます。
組織力を向上できる
ハッカソンではチームを組んで作業を進めるため、必然的にコミュニケーションをとる機会が増え、協調性を養うことも可能です。
人間関係を円滑にすることにより、組織力を向上させられることはもちろん、企業へのロイヤルティを高めることもできます。
企業の知名度を向上できる
一般的なハッカソンでは、自社に属していない参加者と交流を持てるため、自社の知名度を向上させたり、サービスの認知度を高めたりといった効果を期待できます。
これにより、売り上げのアップを実現させられるだけでなく、優秀な人材を獲得しやすくなるといった効果も生まれるでしょう。
情報収集や技術向上に期待できる
外部企業や研究機関等の人材と交流を図ることで、各分野の情報収集を進められることもハッカソンのメリットです。
自社には初心者しか在籍していない技術だとしても、その分野の専門家を招くことによって、知識を増やして技術力を高められます。
ハッカソンに参加するメリット
ハッカソンに参加する場合、以下のようなメリットを得られます。
<ハッカソンに参加するメリット>
・最新技術に触れることができる
・すべての開発工程を経験できる
・業務の幅が広がる
こちらも各項目について解説しましょう。
最新技術に触れることができる
ハッカソンでは近代的な技術をテーマに挙げられることが多く、参加先では最先端の技術や機器に触れられる可能性があります。
自社で難しい経験を重ねることにより、個人的な成長を図れるだけでなく、技術を自社に持ち帰れるところもメリットです。
すべての開発工程を経験できる
日常業務とハッカソンの違いは、ゼロベースからの開発工程に携わることで、企画から発表までの流れをすべて経験できるところです。
普段は関わることのない作業にも触れられるため、別部署や別工程のスタッフに対する理解を深めたり、自分自身でも気付けていなかった得意分野を把握できたりすることもメリットです。
すべての開発工程を経験できる
日常業務とハッカソンの違いは、ゼロベースからの開発工程に携わることで、企画から発表までの流れをすべて経験できるところです。
普段は関わることのない作業にも触れられるため、別部署や別工程のスタッフに対する理解を深めたり、自分自身でも気付けていなかった得意分野を把握できたりすることもメリットです。
業務の幅が広がる
前述したように、ハッカソンに参加することであらゆる開発工程を経験できるため、別の作業を担当する人物の気持ちや物事の見かたを勉強する機会にもなります。
これによって業務の幅が広がり、本来のポジションでも物事を多角的に見つめながら作業を進められるようになるでしょう。
企業がハッカソンを行う手順
企業がハッカソンを行う手順を解説します。
1.企画と募集
どのようなテーマのハッカソンを実施するのか企画し、それに適した人材を募集します。
2.準備
会場の準備のみならず、司会進行役やチューター、ヘルパーといったスタッフを募集して準備を整えます。
3.チーム分けを行う
ハッカソンのテーマに関する簡単なプレゼンテーションを実施した後、チーム分けを行います。
少なすぎると多様性に欠け、多すぎるとまとまりにくくなるため、1チーム5~6名が理想です。
4.コーディング
コーディングにおいては、チームごとの雰囲気や進捗を随時確認する作業が求められます。
多くのハッカソンではコーディングから発表までに数日間を要するため、日をまたぐ場合は中間発表を行って整理すると良いでしょう。
5.プレゼンテーション
各チームの成果をプレゼンテーションによって発表してもらいます。
6.審査とフォローアップ
必要に応じて審査員間や参加者間で審査を行い、順位付けをします。
その後はアンケートや成果発表という形でフォローアップを行うというのがハッカソンの一連の流れです。
まとめ
ハッカソンは「Hack」と「Marathon」を掛け合わせた造語で、与えられたテーマに対してチーム一丸となって取り組み、成果物を発表するというイベントです。
もともとはIT業界で行われていましたが、現在ではそれ以外の業種や教育機関にも広まり、多様化が進んでいます。
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佐賀県基山町字宮浦
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