2021.12.01
オープンイノベーションとは?種類や特徴、導入するメリットまで詳しく解説

オープンイノベーションとは、自社以外の技術や知識などを取り込んでいくことです。
自社だけで得るのではなく、外部から取り入れることで、効率よく経営を行えます。
ここでは、オープンイノベーションとは何か、メリットや注意点などについて詳しく解説していきます。
オープンイノベーションとは?
オープンイノベーションとは、知識や技術などを自社内で確立していくのではなく、外部から幅広く取り入れることです。
ここでのイノベーションとは、新たな価値を創造することを指しています。
今までは各企業が自社内で知識や技術を確立する、クローズドイノベーションが一般的でした。
しかし、オープンイノベーションを用いることで、社外からも新たな価値観を得ることが可能です。
オープンイノベーションの目的
オープンイノベーションの目的は、自社にはない新たなアイデアや技術などを得ることです。
自社だけで開発していても、今までにない新しい考え方や発想を生み出すことは非常に困難です。
しかし社外から取り入れることで、新しく、かつ多様なアイデアを効率よく得られるでしょう。
オープンイノベーションの種類
オープンイノベーションには、大きく以下の3つの種類にわけられます。
それぞれについて、簡単にご説明しましょう。
インバウンド型
インバウンド型とは、他社の技術や知識を積極的に取り込んでいく手法です。
自社に不足するものを補い、新しい風を取り込むことで、イノベーションを創造します。
たとえば、自社に不足する特許を導入する「ライセンス・イン」が挙げられます。
アウトバウンド型
アウトバウンド型はインバウンド型の逆で、社内の知識や技術を他社に提供していく手法です。
たとえば、自社のライセンスを他社に売却する「ライセンス・アウト」が挙げられます。
統合型
結合型は、インバウンド型とアウトバウンド型を両方行う方法です。
他社から知識や技術を取り入れたり、逆に自社の知識や技術を提供したりします。
オープンイノベーションの特徴、クローズドイノベーションとの違い
オープンイノベーションの目的や種類をお伝えしてきました。
この先は、オープンイノベーションとは何かを、いくつかの分野においてクローズドイノベーションと対比しながら説明していきます。
アイデアや考え方
事業を進めるうえで、アイデアや考え方は非常に重要です。
イノベーションを生む際に、自社のノウハウや経験からアイデアや考え方を生み出すのがクローズドイノベーションです。
一方、オープンイノベーションで外部の知識や情報を活用していくことで、自社にはないまったく新しいアイデアや考え方を得られます。
人材
社外の人や顧客までをも協業者と考え、優秀な人材を得ることが可能です。
クローズドイノベーションの考え方で、自社で人材を育てるのはコストも手間も時間もかかります。
しかし、オープンイノベーションの考え方を用いれば、他社の優秀な人材を低コストで効率的に利用できます。
資本
外部の資本も、自社の技術開発や人材育成などに有効活用します。
一方、クローズドイノベーションでは外部資本が関わることはなく、すべて自社資本でまかなわなければなりません。
外部資本を利用できることで、潤沢な資本を社内に投下できるメリットがあります。
R&Dリソース
R&Dリソース(研究開発リソース)も、外部から取り入れることが可能です。
クローズドイノベーションだと、研究開発は完全に社内でのみ行われます。
しかし、オープンイノベーションでは社外のR&Dリソースを有効活用できるため、開発コストを下げることが可能です。
知的財産
クローズドイノベーションの場合、知的財産は社内で守られ、社外に出ることはありません。
一方、オープンイノベーションでは、知的財産を社内だけでなく社外で活用します。
その代わり、社外の知的財産を自社で活用できます。
ビジネスモデルの構築
クローズドイノベーションでは、どこよりも早くビジネスモデルを市場に出すことが重要と考えられてきました。
しかし、すでに市場にあるビジネスモデルよりよいものを、時間をかけて作るほうが重要であるとするのが、オープンイノベーションの考え方です。
オープンイノベーションを導入するメリット
オープンイノベーションを導入すると、どのようなメリットがあるのかを見てみましょう。
自社にはない知識や技術を取り入れられる
他社や顧客などから、自社にはない知識や技術を幅広く取り入れることが可能です。
自社内の人材やリソースだけで開発していても、今までにない革新的な技術やアイデアを得ることは困難です。
そこで、オープンイノベーションの考え方を用いて、外部から幅広く取り入れれば、効率よく多様な知識や技術を得られるでしょう。
開発にかかる期間・費用を削減できる
自社のみで新しいサービスや製品を開発すると、膨大な時間や費用を費やす必要があります。
とくに新たな分野に乗り出す場合、その分野に対応できる人材がおらず、人材育成から始めなければならない場合もあるでしょう。
しかし、オープンイノベーションで外部からリソースや技術、知識、人材などを取り入れられれば、開発にかかる期間や費用を大幅に削減できます。
経営の効率性を上げられる
技術開発や製品開発などにかかるコストを減らし、期間を短縮できることで、経営効率を大幅に上げることも可能です。
その結果、業績を上げていくこともできるでしょう。
オープンイノベーションにおける注意点
オープンイノベーションには多くのメリットがありますが、以下のような点にも注意が必要です。
コアコンピタンスは保護する必要がある
コアコンピタンスとは自社の核となる強みのことを指し、オープンイノベーションを行う際にそこだけは守る必要があります。
コアコンピタンスに関わる重要な人材や技術、知識の流出を許せば、自社の強みまで失うことになりかねないからです。
明確な目的・理念をもって導入する
明確な目的や理念がなく、目先の利益に振り回されたり、受け身の姿勢を続けてしまったりすると、危険です。
それでは、将来性のあるメリットを得ることはできませんし、他社に奪われるばかりで何も得られない可能性もあります。
社内の人材・組織を整えたうえで導入する
オープンイノベーションに対応できる人材や組織体制を、整えておく必要があります。
他社と協業する経験がない人材ばかりだと、うまくいく可能性は低いでしょう。
他社・外部組織と積極的に連携する
他社や外部組織との連携が非常に重要なので、積極的に連携していくことが重要です。
お互いに意思疎通を重視し、価値観を認め合うなど、連携を密にしていかなければなりません。
また、こちらや相手一方だけが得るだけでなく、資源の双方向的なやり取りも必要です。
日本でも急速にオープンイノベーションが広がっている
オープンイノベーションは世界で急激な広がりを見せており、近年は日本でも急速に広まっています。
インターネットが浸透し、世の中のニーズは多様化とパーソナライズ化の二極化が進み、プロダクトサイクルが短期化しています。
企業のリソースが限られている中、素早く新しいニーズや多様なニーズに対応するためには、オープンイノベーションの考え方が必要不可欠なのです。
まとめ
この記事では、オープンイノベーションの考え方について詳しく解説してきました。
オープンイノベーションは、インバウンド型・アウトバウンド型の二種類があり、その二種類を組み合わせた結合型もあります。
どちらもうまく利用してリソースを外部から得たり、逆に外部に提供したりすることで、新たな価値観を生み出すことが求められています。
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佐賀県基山町字宮浦
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